きくラジオ、みるラジオ、よむラジオ

02:WPコーダ子育て支援

対象: すべての人
掲載日 : 2025年08月29日

本特集「きくラジオ、みるラジオ、よむラジオ」は、2025年7月から12月にかけて実施する、ラジオ番組「JK RADIO TOKYO UNITED」(J-WAVE)とのコラボ企画をまとめたものです。特集の詳細や各回の情報はこちらをご覧ください。

ゲスト出演

WPコーダ子育て支援  湯山洋子さん

コーダが子どもらしく成長し、聞こえない親が安心して子育てできる社会を目指して活動する「WPコーダ子育て支援」は、コーダ子育てに関する情報を積極的に発信し、地域の方々との連携を深めながら、理解と共感を広げる社会啓発活動に取り組んでいます。

※コーダ(CODA):「Children of Deaf Adults」の略で、聞こえない/聞こえにくい親のもとで育つ、聞こえる子ども

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DENWA RELAY SERVICE EYES ON THE FUTURE
この動画は、J-WAVEとのコラボコーナーを映像にした「みるラジオ」です。
コーナーで紹介したインタビューを手話でお届けします。

ジョンカビラ/ジョンカビラお届け中。
~JK RADIO~TOKYO UNITED。
ここからの時間は、電話リレーサービス EYES ON THE FUTURE。

このコーナー、12月までの毎月最終金曜日は、
聴覚や発話(声を出すこと)に困難のある聞こえない人と聞こえる人との電話を
通訳オペレータを介してつなぐ「電話リレーサービス」を使います。

社会課題と向き合う団体の皆さんのアクションを
電話リレーサービスでのインタビューを通して発信いたします。

今日お話を伺うのは、耳が聞こえないろう者の親を持つ聞こえる子ども「コーダ」と
その家族を支援する団体「WPコーダ子育て支援」の湯山洋子さんです。
湯山さんご本人も耳が聞こえない聴覚に障害があるろう者です。
電話リレーサービスで私の声を手話に通訳して、湯山さんに伝えていただきます。

それでは、電話してみましょう。

(呼び出し音)

通訳オペレータ/電話リレーサービスです。
耳の聞こえない方などへ手話通訳を通してお電話します。
双方のお話を全て通訳いたします。
おつなぎしますので少々お待ちください。

ジョンカビラ/電話をかけるとこのようなアナウンスがあります。
では、湯山さんと、電話リレーサービスの手話通訳オペレータを介してお話を伺いましょう。

まず伺いたいのは、団体が支援されているご家族の課題です。
一般的な子育てとの違いについて伺います。
これは家庭の中でのコミュニケーションのあり方、これがまず大きく異なりそうですね?

湯山/そうです。コーダは聴者ですが、親がろう者ですので、
コミュニケーションの面で一般の家庭とは異なります。
手話や音声、筆談など、コミュニケーション方法は様々です。
誰かを呼ぶ時には、肩をトントンとたたいたり、手を振ったり、
電気をつけたり消したりして知らせます。

自宅では、トイレや各部屋のドアは、いつも開けておきます。
ドアが閉まっていると中にいることの合図になります。

家庭で身についた生活様式が聞こえる社会では違っていて、
戸惑う場面もあり、そういった課題を解決しようと、
聞こえない親やコーダを支援しています。

ジョンカビラ/保護者、子どもたち。この困難な部分は双方にありそうですね。

湯山/親の困難からお話します。
音声中心の社会ですから、聞こえない親は情報が耳から自然に入ってこない情報格差があります。
2点目は、公的な支援が足りていないということです。
3点目は、(先生などが)親が聞こえないことを分かった上で、
どのように関わったらよいのかの知識が十分ではない、
学校と家庭との連携が不足するため、どうしたら子どもを守れるかなど、壁があります。

次に、子ども側の困難ですが、社会的な誤解があります。
メディアによるコーダは手話ができるというイメージや、
親が聞こえないことで、「大変だね」「頑張っているね」「親を守ってあげて」など、
周囲からの特別視があります。
それから、心理的な負担です。

ジョンカビラ/はい、伺ったこの課題と向き合い、支えていらっしゃるのが
「WPコーダ子育て支援」の皆さんということなんですが、
具体的な取り組み、これはどのようなものがあるのでしょうか?
(ご紹介をお願いします。)

湯山/活動としては、コーダについての理解を深めてもらおうと、
教育機関などへパンフレットを配布しています。
悩みを持つ親が、都度自分たちのことを何度も説明をするのは労力もかかりますし、
個々に説明することが個人の問題やわがままと取られることがあったので、
共通の問題であることを理解してもらおうと、パンフレットを作成しました。
これまで全国に5000部以上配布しています。

湯山/聞こえない親が交流する場も提供しています。
以前は対面式でしたが、コロナ禍以降はオンラインでも開催しています。
また、コーダ同士のつながりを作るため、
親が交流する時にコーダが交流する場も設け、共感できる仲間づくりの場を提供しています。

ジョンカビラ/では最後になりますが、こういう皆さんが起こしていらっしゃるこのアクション、
その先に見つめている未来のビジョンとは何でしょうか。教えてください。

湯山/一般的には、子どもは親から守られるということが当たり前ですよね。
コーダの場合は子どもが親を守るということがあり、それが負担になっています。

コーダも子どもらしく年相応に親から守られる存在として
育つことができる社会に変えていきたいと頑張っています。
また、聞こえない親が安心して子育てできる環境づくりのため、
公的支援制度の設立や、医療関係者、教育機関の理解や連携強化による体制づくりを目標に
実現を願って活動を続けています。

ジョンカビラ/はい。いろいろ学ぶことができました。
それぞれの負担を軽減することができる社会、これが目標だと思います。

この時間は、「WPコーダ子育て支援」湯山洋子さんにお話をいただきました。
湯山さん、ありがとうございました。

今回利用した「電話リレーサービス」。
きこえる人、つまり私と湯山さんの電話を手話と音声で通訳してくれました。
これが電話リレーサービスです。

この様子を動画に収録して、「みるラジオ」として公開しております。
電話リレーサービスの公式ウェブサイトからご覧いただけます。
ぜひ「WPコーダ子育て支援」の活動と合わせて、
あなたのチェック、お願いいたします!

J-WAVEのロゴと電話リレーサービスのロゴ

きくラジオ

8月29日(金)10:20より放送されました。放送後1週間はradikoにてタイムフリー視聴が可能です。(無料)

-JK RADIO-TOKYO UNITED(PART2) | J-WAVE | 2025/8/29(金) 09:00-11:30
タイムフリー視聴リンク

よむラジオ

J-WAVE: JR RADIO TOKYO UNITED のEyes on the Future コーナーブログをご覧ください。


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